×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

本文へスキップ

児童の精神発達

児童の精神発達Mental Development

札幌こどもの相談カウンセリング-戻る

はじめに

生命が誕生するのは神秘的なことです。おそらく、生命を操作しようとする人間は神の領域を侵しているのかもしれません。そこには生命倫理があります。生命は有機体に宿ります。そして、有機体には精神が宿ります。どうして物質から精神が発生するのか、その理由を掘り下げても答えは出ないのかもしれません。しかし、どのようにして精神は発生するのかと、問うことは可能です。児童の精神発達を研究する学問、それは発達心理学の領域になります。

このページでは、児童の精神発達理論をいくつか紹介するつもりです。少し古い研究者たちの理論ですが、いまだにその重要性は衰えていません。フランスのワロンとロシアのヴィゴツキーの理論を簡単に紹介しましょう。

発達心理学の精神発達理論ですから、精神的な問題を抱えた子どもたちに対する援助という点では、あくまで間接的なものにとどまるでしょう。臨床心理学系の発達理論ではないからです。しかし、子どもの成長を障害や病気の視点から考えることと同じくらい、一般的な発達理論を見渡しておくことも大切なことであると思います。


ワロンの発達理論

アンリ・ワロンは、フランスの児童精神科医であり、発達心理学者でした。先輩のピエール・ジャネなどから多くの思想的な遺産を受け継いで、独自の精神発達理論を展開しました。日本では最近あまり読まれなくなった研究者ですが、哲学・現象学のメルロ・ポンティにも様々な影響を与えており、フランス語圏の発達心理学者として心理学の歴史に名を残す大人物です。

では、ワロンの発達段階論を、簡単に説明します。

胎児段階

まず、子宮内生活の段階です。だいたい妊娠四ヶ月くらいからだと思いますが、胎児は母親の内部刺激や、母体に仲介された外部刺激に対して、運動反応を示すようになります。母親に病気や機能不全がないかぎりのことですが、母体は、胎児のすべての(生理的)要求に答えるようになっているようです。胎児は、母体に対して、生物学的な意味で絶対的に依存しなければならない段階です。胎内での胎児の運動反応は、ほとんどが姿勢反射と呼ばれるものです。頭を動かしたり首を曲げたりお腹をけったりするような、未分化な反応です。

運動的衝動性の段階

胎内生活を出産(誕生)によって終えると、新しい段階がはじまります。運動的衝動性の段階です。胎児期のときとは違って、新生児の欲求の満足は自動的なものではありません。空腹を満たしたいという欲求が起こったとしても、それがすぐさま母親によって満たされるとは限らず、待つ苦しみを味わうことになるわけです。ここで新生児は、身体を痙攣させたり泣いたりすることによって、爆発的な動きを示すようになります。この爆発的かつ衝動的な運動は、たんなる筋肉運動的発散で、運動発作であるかのようです。上肢はギクシャク、下肢はバタバタ、自動的に動くのです。けれども、バラバラな運動はしだいに組織だったものに変化していきます。

情動的段階

胎児期には母体と有機的に共生していた子どもは、この段階になると情緒的に共生すると言えるでしょう。情動的段階です。この段階の子どもは、周囲の人々と密接に結合していて、自己と他者を区別できないでしょう。まるで自分のパーソナリティが、周囲のすべての物の中に拡散しているかのようです。ワロンの有名な概念である癒合性、主観的癒合の段階でもあります。周囲との情緒的な相互浸透が特徴です。こうした情緒的な癒合性を基盤として、母子間には、動作、態度、姿勢、身振りなどによる、相互理解のシステムが形成されて行きます。たとえば、子どもは泣くと哺乳瓶を与えられますが、ここに泣くことが空腹欲求を満たす記号シーニュになる場面を見て取ることができるはずです。

感覚運動的活動の段階

だいたい2歳前後くらいがこの感覚運動的活動の段階になるでしょう。子どもの注意は外界に向いて行きます。子どもは物に働きかけた結果として自分に返ってくる刺激印象に向けて反応します。こうした感覚運動的活動はしだいに多様になっていきます。子どもは外界への探索行動によって自分自身の感受性を洗練していくと同時に、物の特性を発見していきます。自分の働きかけによって自分自身に、あるいは物に何がしかの効果が生じたときに、子どもはもう一度その効果を再現しようと同じことを繰り返します。これが、効果の法則とか、循環反応と呼ばれるものです。けれども、この探索活動は手元の近空間に限られてしまいます。このような空間を延長するために重要となるのが、歩行と言葉なのです。

自己主張の段階

三歳頃に、この自己主張の段階がはじまります。この段階は三つの時期を区別することができます。まず「対立と抑制の目立つ時期」です。子どもに交替やりとり遊びが少なくなってくると、拒絶的な態度が目立ってきます。いわゆる反抗期ですね。そして子どもは、自己のパーソナリティの自律性を主張し、それを守ろうとします。自分のことを呼ぶのに三人称しか使えなかったのに、一人称が使えるようになります。他者に対して自分の権利や主張を通そうとするわけで、これが「防衛と権利主張の時期」というわけです。次は「自分を立派に見せかけ、他者の同意を得ようとする時期」です。他人にとっても、自分自身にとっても、自己が魅力的であることを子どもは望むのです。ナルシシズム、自己愛の段階でもあります。自分にない魅力が他者にあれば、子どもはその人からそれを盗み取って自分のものにしようとします。模倣ですね。

多価的パーソナリティとカテゴリー的思考の段階

これは、6歳から11歳にかけての段階です。この段階になると、パーソナリティや知性の癒合性が解消されて、分化が出現してきます。学校年齢に相当するでしょう。友人関係や学校の対人関係は、家族内の関係よりも複雑で、多様で、変化に富んでいます。子どもたちは、こうした変化してやまない人たちや場面に即応して関係の取り方を変化させていくことを学んでいきます。このような関係のなかで生きるうちに、子どもは、自分が多価的パーソナリティであることを自覚していくのです。児童は、多様な環境に対して自分の行動を適応させていくわけですが、いわゆる過剰適応のごとく果てしなく自分自身を拡散させていくわけではありません。自分の潜在的な可能性を意識化して、自己自身についての認識をもつようになるのです(複数にして単数の存在)。また、パーソナリティだけでなく、知覚や認識の領域においても、類似する発達が起こってきます。対象や場面の種々異なる特性がごちゃごちゃになるのではなく、うまく分類されて、システマチックに一貫して同化や異化が可能になるわけです。これがワロンのいうカテゴリー的思考です。この多価的パーソナリティとカテゴリー的思考という考え方は、私が思うに、先輩のピエール・ジャネからそのまま受け継いだもののようですね。

思春期および青年期の段階

この思春期と青年期は、感情の両価性つまりアンビバレンス(アンビヴァレンス)が顕著な時期です。外的な表現にエネルギーが消費されてしまい、激烈で発作的な情熱が現われます。この時期の両価性として、臆病と高漫、媚びと嘲りなどの相反する感情が交代したり、入り混じって現われることもあります。利己主義と自己犠牲が同時的に併存するようなこともあるでしょう。精神的な危機の段階ですね。この段階の子どもたちは、自分自身に驚き、自分のことがわからないという不安に襲われることがしばしばです。自分のパーソナリティを前にして途方に暮れてしまうのです。しかし、このような危機が子どもたちの知的活動を洗練させることにもなります。家族的、社会的な責任への関心を生んだり、科学的な関心を生んだり、文学的、神秘的な関心を生んだり、創造性が育まれていくのです。


ワロンの精神発達の理論は、危機を強調していることが特徴です。これはエリクソンやヴィゴツキーの理論にも通じるでしょう。発達の段階と段階との間に、危機を見ているのです。またワロンは、内的形成である同化と、関係の拡大である異化が交代して現われることをといています。つまり、子どもたちは、こもる時期と外界に向かって関係を作る時期を交互に生きるわけです。ひきこもりは異常な事態として捉えられがちですが、精神発達にとって必要なのです。

ヴィゴツキーの発達理論

ただいま構築中です。

乳児期

1歳の危機

幼児期

3歳の危機

就学前期

7歳の危機

学童期

13歳の危機

思春期


関連記事


札幌の児童カウンセラー
札幌の不登校の相談
G+


Nopporo Counseling RoomNopporo Counseling Room

私の勤務先に併設されているカウンセリング・センターです。お子様のご相談にご利用ください。

北星こころの相談室
〒004-8631
北海道札幌市厚別区大谷地西2-3-1
TEL 011-802-3822
ホームページ: http://www.hokusei.ac.jp/